目黒シネマにて前後編イッキミ。映画としては本当に本当に素晴らしい作品。もとがあの原作なんだからどうやっても面白くなるのは間違いないとは思っていたのだけど、予想以上に素敵な作品に仕上がっていて、もっと早く観ておけば良かったと思ってしまったくらい。
ただやはり、どうしても原作ファンとしては「なんでここ削っちゃったんだろう？！」というシーンや台詞が結構あって残念なところも…。
前編に関して言うならば、まず小学生編は断片的に出てくるんではなく回想シーンとしてしっかりと一通りやってほしかった。特に千早と新にとってのかるたはあの思い出が全てで。そこがあやふやだと、千早がかるたにあそこまで拘る理由だとか、新の孤独だとか、そういったものがどうしても薄くなってしまう。
あとは机くん入部エピソード。イケメンで人気者で学年主席の太一と孤独なガリ勉なのに2位にしかなれない机くんとの対比、「俺は仲間にするならかるたの神様じゃなく畳の上で努力し続けられる奴がいい」の台詞、からの机くんの入部の流れが本当に大好きで…。机くんはもちろん、あそこは太一の大きな見せ場でもあるので丁寧にやってほしかったなと思ったり。
太一が序盤で原田先生に自分の恋心を打ち明けてしまうのも何だかなあ、だったし、その代わりに千早の誕生日会のシーンは残して欲しかったなあとか、野暮な不満点がどうしてもふつふつと…。
限られた時間に収めるには仕方のないことなのは分かるし、原作を知らない状態で出会えてれば本当に素晴らしい作品だと素直に受け入られただろうなと思うと悲しくなったりもして。まだちはやふるという作品に触れたことがないという方には、是非この映画から入ることをおすすめしたいと思います。
