Donatello

X-ミッションのDonatelloのレビュー・感想・評価

X-ミッション(2015年製作の映画)
3.1
ジェームズ・キャメロン監督の元奥さんだけあって(いやあんま関係ないけど)、下手な男性監督より男臭い映画を作るキャスリン・ビグロー監督の、その作品群の中でもかなり臭い部類に入る『ハートブルー』

25年の時を経て、あの頃なかったエクストリームスポーツの数々を取り入れて、見事に蘇…ってないのはお察しの通りでございます。

元ネタのあの頃とは違いYouTube(r)なるものが存在し、そういった事を生業にしている主人公というのが今っぽいですけどもね。
その主人公、エクストリームスポーツで友達を亡くし、数年後FBIに入りま…ファッ!?
という唐突具合。
まぁそれはさて置いて。

冒頭のモトクロッサーでのジャンプやサーフィンのシーンも凄いですが、何よりウィングスーツを使ってのベースジャンピングは、流石に様々な機材で映画用に撮られてるだけに、YouTubeはおろかVimeoでも観られないタイプの、ウィングスーターのプロビデオでも観ないとないような撮り方がしてあって、そこは凄いなと。
『ワイルド・スピード』や『ペイバック』の撮影監督だっただけあるエリクソン・コア監督のこだわり。
流石だと思いましたよええ。
そこはね。

ただ『ハートブルー』が凄く分かりやかったというか、逆に本作が分かりにくいというか、なんかちょっと話に無駄な付け足しをしたせいで、少々漂う台無し感。

大半の人がきっとキアヌ・リーヴスさんとパトリック・スウェイジさんの迫真な演技をリブートして欲しかった訳ではなくて、エクストリームスポーツを使った斬新な犯罪が観たかったと思うんですがね。
そうかと思えば『ハートブルー』のスカイダイブのシーンにあたる箇所がどうもフリークライミングというやるせなさ。
終いにゃ「オザキ8」とかいう、大義かなんだか知らないけど、よくわからない設定をぶち込んできて、「なにそれ盗んだバイクで走り出すのか?」と。

どうせならば物語そっちのけで、とことんエクストリームにしてくれたら4D系シアターでアトラクション的映画として盛り上がったんじゃないかと思うところです。
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