Teriyaki88

X-ミッションのTeriyaki88のレビュー・感想・評価

X-ミッション(2015年製作の映画)
3.9
エクストリームネズミ小僧の傑作。
まずどうやって撮影したんだ?どうやって合成したんだ?という画力に圧倒される。

極限のエクストリームで唯一生き残これるラインと、個々の人生の生き様のラインをオーバーラップさせながら、自然を破壊し続ける人類への警鐘を、重層的な隠喩で描き切った。
自己責任とスピリチュアルと謙遜が、すっと飲み込めた。

パーリーなシーンの合間に見せる山間に自然の恵みとともに生きる姿にも、ヒールのボーディーのちょっとした台詞に青臭さも感じつつも心のどこかが揺さぶられる。

自然の営みに乗った時、本当の自己責任となる視点はユニーク。
誰の影響も受けていない、自分だけの本当の選択を全く出来ていないことに改めて知らされる。

極限の中で命をかける姿に、無意味ととるか、何かしらの意味をこじつけるのかは個々の自由だが、意味を見つけようとするのか、拒否するのかも、人間のおごりであると大自然に挑むキャラクター達が後ろ姿で語る。

仲間の死を前に「乗った以上、あいつのラインだ」
仲間の生き様に苦言を呈す「他人に自分の人生を委ねるな」
何か心に残る雰囲気が随所にあった。

観る人の性質によって評価を二分しそうだが自然への敬意と、自分の生き様をふと見つめ直せる時間になるかもしれない。

少なくとも、単なるお気楽パーリー映画ではなかった。