キイチ

TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬのキイチのレビュー・感想・評価

4.5
個人的にかなり来ました…音量上げろタコを観たばかりだったので、序盤はギャグロック系か…と心配になりましたが、こちらはかなり良かったです。

「地獄×ロック」という意味不明を最初から植え付けられたのが良かったのかもしれません。だから登場人物の過去はシリアスに写るし、感動シーンはより光るのかなと…
それでも謎の感動を生み出せるのは簡単じゃないですよね、監督の技量が成したものだと思っています。

あとセリフや音楽、衣装や特殊メイクなど、細かいところまでこだわりというか、むしろ本気すぎるのが伝わってきたのが良かったです。
一瞬でもそれに気がつくと、一見チープな設定でも引き込まれてしまいます。

濃すぎるキャラクター、彼らの発する言葉に思わず笑ってしまったり、大事なシーンでは「現世で生きる」ことの価値を教えてくれたり、どこまで頭のネジを外して考え込めばこんな設定が思いつくのか…それくらい伏線?世界観?色々と凝ってます。
主人公の健気さ、純粋さ、努力、絶望、アホさに対して不思議な涙も流れました。僕は。

登場人物のバックボーンをもっと深堀りしてほしかったし、少し無理のあるシーンもあったけれど、それでも「良かった」が後味に残る作品です。
「地獄でなぜ悪い」と似たような、決して万人受けする作品ではないけれど、賭けで観てみてほしいなと、そしてさらに評価されてほしいなと思う作品です。
キイチ

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