モモノキ

マンスフィールド・パーク(原題)のモモノキのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ポストコロニアル批評、フェミニズム批評の成果がたっぷり盛り込まれた映画化。ここまでやるとアンチオースティンの域だろう、と思いつつ、ファンとしてはファニーが英国史を書く場面、ちゃんとエリザベス女王を罵倒しているところにくすりとせずにはいられないし、エドマンドに告白された後の、一瞬の観客へのアイコンタクトにも笑みを抑えることができない。あまりにもおぞましい裂け目に見て見ぬふりを通し、結局はその裂け目の恩恵にあずかるファニーが実は小説を書いていて、いずれ人気作家になるかもしれないという示唆も――まあ、ベタっちゃベタだが、ひねりとしては大変面白かった。そのファニーが、どちらかというとファニーと言うよりミス・エリザベス・ベネットのような性格に改変されているのも、悪意の上乗せという感じで個人的には好意的に取れた。映画として面白いかどうかは別にして、オースティンのファンなら、一見しておく価値はある映画だと思う。
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