MikiMickle

DOPE/ドープ!!のMikiMickleのレビュー・感想・評価

DOPE/ドープ!!(2015年製作の映画)
3.7
DOPE
1 違法な薬物
2 まぬけ
3 スラングで、素晴らしい
の意味

LAのスラム街。
主人公のマルコムは通称“ボトムズ(どん底)”。
ジブと、レズビアンのディギーの3人でいつもつるんでバンドを組んでいるが、彼ら3人は90年代hip-hopオタクのいじめられっ子。黒人のくせに白人のように進学を目指しているために、高校では浮いた存在で、Air Jordanをかつあげされるような日々…

ひょんな事から知り合ったヤクの売人ドムのお気に入りの女性ナキアに恋をしたマルコムは、ドムの誕生日パーティーに忍び込むが、そこに警察が…
ドムはマルコムのカバンの中にモリーと呼ばれる大量のMDMAと銃を隠し… それを手にしてしまった3人の生活は一転して変わってしまうのだが…


音楽系の青春ものかと思っていたら、スタイリッシュで疾走感溢れるクライム青春ムービーだった♪

いじめ、生まれ育ったスラム街の環境、差別、恋、進学……そんな悩みの中、
ドラッグを引き金にアクの強い人々と出会い、自分のアイデンティティーを確立していくのだ。

彼らの苦悩や悩みはウジウジと描かずも、心の根底にある“理不尽への反発”が、暑苦しくなくほどよいパッションで不意に表れるので、本当にクール。たじろぎながらも芯の強さがあり、逆境やオタクの立場を上手く使い、持ち前の頭の良さでやってのける主人公たちに痺れる‼


一筋縄ではいかない、綺麗事でもないラスト。
そこも非常に小気味よかった。
黒人としてスラム街出身として型にはめられた中で、そのはみ出しものたちがいかに己の進む道をつかみとるのか。
“のしあがる”のではなく、“上手くいく”のではなく、つかみとる様が非常にクール‼‼

様々な“オタク”ものの青春映画を見てきたけれど、これはまた一味違ったものだった。


登場人物も個性的。
3人組のファッションはこの時代に90年代プンプンでダサイのだけれども、何故かかっこよく見えてきて。まるで男の子にしか見えないディギーもキュート♪ 

出会う人々はかなり変‼  友達の天才ハッカーや、富豪の可笑しなお兄ちゃんと、おぱひ出してラリりまくりの妹、ビットコインを現金に交換してくれる人もかなり変w ドムも憎めない。なんとも愛すべき人々♪

また音楽は、ファレル・ウィリアムズがプロデュースしているだけあって、非常にかっこいい。
私はHip-hopは詳しくないのが残念だけど、きっとかなりこだわりがあるのだろうな。Nasとか♪ あと、kornが流れた時にはテンションあがった

エンディングのマルコムのダンス‼ なかなか見もの‼

「僕が白人でも同じ質問をしますか?」の問いは、心に染みるものがあった… 爽快でもあり、愉快でもあり、考えさせられる映画でもありました。好きです、とても。
MikiMickle

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