ちいさな泥棒

バットキッド・ビギンズのちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

バットキッド・ビギンズ(2015年製作の映画)
4.8
白血病と闘う男の子の夢は"バットマンになること"その夢を叶えようとある団体が一日ゴッサムシティを作り上げたりと奮闘する。実際のスタントマンやあの『ダークナイト』シリーズで音楽を担当しているハンス・ジマーまでも協力したりとかなり夢があるドキュメンタリーだった。

「大人はつい忘れがちだが 遊ぶことは大切なんです」この言葉通りこの子の夢を通してかつて自身もヒーローに憧れていたとSWやキャップのコスチューム大好きなオタクな大人達が童心にかえってここぞ!と見せる本気度が最高。私も大好きなバットマンだから気になって観たし集まった皆も好きなんだね笑

とても印象に残った言葉を載せておきます。「助けてバットキッド!というのは実は本心なのだろうと。彼を助けつつ自分が救われていた。大人の魂に宿るうみが癒され 夢を持つことを忘れたから幸せを感じないのだとね 」「子供の頃は毎日 力いっぱい速く走ろうとするのに 大人になるとやめてしまう」



「夢を持ち 非常識な目標を掲げる人の話を聞くといい」特にこの言葉はご本人もずっとバットマンが好きで『ダークナイトシリーズ』で携わることができ、以降ノーランと仕事をしているハンス・ジマーの言葉。堅い仕事に就くことを望まれていたらしくきっと音楽家を目指すことを否定されていたからこそ出た言葉なんだなと。「(夢の)否定はよくない」とお話していました。

私は家庭環境的に夢を追うことすらできず、ましてや親に夢を聞いてもらえることすらなく大人になって「あんたそんな夢持ってたんだ」とあっさり冷たくあしらわれて、深く傷ついたんですよね。環境や経済的な問題もありますがもしお子さんに夢があれば現実的でも非現実的でも耳を傾けてあげてほしいな。

タイトルも『バットマン ビギンズ』からでそこも胸熱だったり、歴代ジョーカーがチラッと映ったりどの時代のコスチュームにしようか、敵がジョーカーだと怖がるかとか真剣に悩むのもよかった。特殊な能力があるわけじゃない普通の人間、とサーカスの練習場での空間づくりも大人も興奮する夢空間でした。

人の常で大人のエゴや宣伝とか下心あるんじゃないのってついつい考えてしまうんですけど、バットマンだとやれやれー!頑張れ〜!むしろ参加させて〜!ってなるから凄い(笑)当初ボランティアを250人ほどで考えてたのに拡散されすぎて1万5千人もきたとか。ちょっとそれは怖かった!バットマン恐るべし…

また、『バットキッド・ビギンズ』のように闘病している子供の夢を叶える団体もあれば『ハイパーハードボイルドグルメリポート』のようにゴミ処理場でプラスチックを拾ったり一日一食食べれればいい環境の子供達もいる。日本も含め混沌とした世の中や子供達皆に平等に光があたる優しい世界がきますように…