おばけシューター

エベレスト3Dのおばけシューターのレビュー・感想・評価

エベレスト3D(2015年製作の映画)
3.4
関係ない話します。
現在ではエベレストの登頂難易度は実は比較的高くなく死亡率は4%程度。
2番目に高いK2は急激に上がって26.5%、
キラーマウンテンと悪名高いアンナプルナはさらに上で32%!3人に1人は死んでるって…
この差は天候による雪崩や滑落の起きやすさ、シェルパの充実度やそもそも行きやすい場所かどうかなど、色んな要素がありそうです。

では!最も死人が出てる山は何かというと、
なんと2000mに満たない日本の谷川岳なのよ!805人も死んでいて、これは8000m級の14座すべての死者を足した637名を上回る!!
恐るべし人喰い山。鬼殺しのスラブ。


作品の話。
この1996年の大量遭難事故は史実に基づく話で、実際に日本人女性のメンバー難波康子さんもいらっしゃいました。
上記の通り死者の割合がマシだからと言って危険なことには変わりなく、それなのに登る前からみんなが好き勝手に死亡フラグ建てまくって案の定大変な目に遭います。
チーム内外でかなりいざこざがあったようで、ガイドが義務を果たさなかったり、頂上を占領し他のチームを停滞させるのは酷い!

8,000mより上はデスゾーンと呼ばれ(そんなところ行くな)本作ではただただ寒そうに描かれてたが、酸素吸入量より消費量が上回り座っていても息切れする、幻覚幻聴や筋肉硬直、消化器系が止まり固形物食べられなくなる、遺体も腐らず残り他の客の目印になっているなど他のエクストリームな要素も描いて欲しい。あとやっぱ食事シーンは必須でしょ!
ドローンで撮影したような上からの画は美しく,確かに3Dで観れば迫力はありそうだった。

まだエベレストが観光地化する前でかなり命懸けだが、そういえばなぜ逆に現代はみんな平気で登れるようになったんだ?(エベレストは冬季・単独・無酸素登頂とやり尽くされており、道具がよくなっただけでは説明がつかない気が…ノウハウだとかシェルパの質が上がったとかかな)

地球で最も宇宙に近い場所、エベレスト頂上付近はやはりエクストリームな環境だが、人間は不思議とギリギリ登れるように作られてしまった。
命懸けで時間もお金もかかるのに,なぜ登り続けるのか。

難波康子は「7大大陸の6つを制覇した。だからもちろん7つ目にも登る」と回答した。
失礼なメンバーから否定されていたが,結局この回答が本質だろう。

登れるから登るのよ。
何故ならそこに山があるからさ💩