Hiroco

オーバー・フェンスのHirocoのレビュー・感想・評価

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)
3.8
これはもう、世の男性が好きそうな映画である。

本作を観ていて思うことは、
「自分らしく生きよう」という言葉ほど無責任なアドバイスはない。
己ですら“自分”のこと分かっていないのに。
そして、まだまだ変われるはずなのに。

男は生まれながらにして、競争の中で生きている。
それをサクセスストーリーやアウトローでもなく
「職業訓練校」という宙ぶらりん層に焦点を当てたこの題材を選んだ段階で、この映画は面白いに決まっている。
運動神経、学力、顔面偏差値のスクールカーストを抜け出し、いざ社会で自由に生きはじめたはずなのに、
次にやってくる闘いは「稼ぎ」であり、その人の「今の生き方」である。
女性よりも露骨に勝負させられる社会っていうのは、きついなぁ〜。

そんな中、勝間田さんの駄目ジジイっぷりが効いてくる。私も◯◯系だと思ってた(笑)
最後、あのハズし方がこの物語を一気にポジティブに変えた瞬間!
あ〜、それこそ自分らしく系かな?お見事!!

観賞直後は、ちょっとクサい演出が多くてそんなにいい映画だと思わなかったんだけど、2日後に評価が変わってくる、じわじわタイプの作品でした。
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