DOCUMENTARY of AKB48シリーズの最新作です。
俺、AKBのファンでも何でもないんだけど、このシリーズは好きで、偶然観た3つ前の「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」から、鑑賞を続けています。
ドキュメンタリーって、脚本などはなく、あるがままを撮って、製作者の意図や作為を排除した素材そのままの映像を観て、観客それぞれが各々の感想を持てば良い、と思っています。
カメラを向けられている、という時点で対象人物が自然な素のままではないのでは?というご意見も解りますが、その点が、他のドキュメンタリーとDOCUMENTARY of AKB48シリーズとの大きな違いです。
カメラを向けられていることなど、まるで関係のない生の姿と、若さゆえ、未熟さゆえに、カメラを意識して演技をしていることさえ解ってしまう、その魅力です。
だから、ドキュメンタリーって、基本的に映像素材さえ優れていれば、自然と映画としても優れた作品になって、作り手の力量が出にくいジャンルだと思っていたのですが…違いました!!
今作を観て、前作までの高橋監督が、いかに実力があったのかを思い知りました。
前作までは、対象となる期間を時系列に沿って並べています。なのに、その中でちゃんと後々のシーンの前振りになっていたり、作品全体のクライマックスに向かう流れなどがしっかりありました。作り手のメッセージは感じさせつつも、受け取り側としても、興奮させるし色んなことを考えさせられました。
が、監督が代わった今作は…ひどい。まず、監督自身によるナレーションの意味の分からなさ。なんで、48グループメンバーじゃなくて、お前がナレーションなの?
また、ナレーションの内容も、自分の思いを一方的に押し付けてくる。お前の思いなんて知ったことじゃないし、ドキュメンタリーにバイアスかけてんじゃねぇよ。
編集もメチャクチャ。48グループメンバーの誰よりも、監督自身がたくさん出てるとか、笑っちゃうでしょ?誰もお前を観に映画館に来てねぇよ!
時系列もバラバラなら、なんでそのシーンを選んだのかも全く意味不明。話している言葉全てを字幕にして表示とか、ほんと何を考えているのか…。
編集の繋ぎも下っ手くそ!メンバーが話している最中なのに、音声だけ消して、口がパクパク動いている状態で次のシーンとか…あり得ない…。映像素材を台無しにしてるじゃん。
全体的な構成にも、カタルシスも何もあったもんじゃない。ただ、自分が思った順番に並べているだけで、そこに確固たる信念や狙いなんて、何もない。
とにかく、自分自分なんですよ。
客観的な目線で見ることができていないから、こんな素材を台無しにしたドキュメンタリーになってしまったんだろうなと思います。
次回作も観に行きたいとは思うけど、またコイツが監督なら行きません。お願いだから、高橋監督に戻してくれ!