洞窟に生きるロマの血縁集団によってフラメンコが受け継がれてきたことの実質的な意味が少しわかった。
彼らの営んできた生活が住居や調度品、衣装に現れ、そして踊りや詩も営みの一部として表現されてきたことの結晶を鑑賞することができ、失われれば取り返すことができない歴史の重みを感じる記録映画だった。
洪水が起きてから復興を経た後に、変質していく故郷への眼差しには、近代化・グローバル化に適応した日本人の正反対の人々として、背景を理解して初めてその眼差しの意味がわかるのだと思う。
生活の営みから生まれた文化の輝きを感じさせる映画だった。
