♪ 死にたいくらいに憧れた東京のバカヤローが
知らん顔して黙ったまま 突っ立ってる
血糊の大量消費国。
インドネシアの映画を観ると、いつもそう思うんですよね。日本の空港はしょうゆの匂いがするそうですが、向こうでは血糊の匂いに満ちているのかも。
そして、本作もそんな系列に連なる作品でした。
しかも、血だけじゃなく脳や小腸も飛び散っちゃいますからね。どんだけ人間を解体したいんでしょうか。そういえばインドネシアも国旗は赤と白。そこからして…うん。お察しですね(赤は勇気と情熱を示しているそうです)。
また、本作の見せ場はバトルアクション。
どこまでが演技で、どこからが本当なのかが分からないほど。ラストバトルの痛ましさは伝説級ですね。思わず「ぐひ」と言ってしまう迫力でした。
ただ、その分、物語は弱め。
というか、きちんと物語を描く…という発想が製作者には無いと思います。
例えば、主人公の行動理由。
少女を助けるために組織を抜ける…という格好良い動機なんですが「なんで助ける気になったんですか?」という疑問はスルー。気にしたらいけないんです。
また、彼より強い女性が登場するんですけど。
「彼女がいったい何者なのか」という基本的な部分は語られません。最初は「主人公の仲間なのかな?」とか思ったんですけどね。そんな様子は微塵もないです。
でも、それも気にしたらダメなんでしょう。
主人公が最強…なんてメルヘンやファンタジーじゃないですからね。彼よりも強い存在を描く…それをしたかっただけなんです。たぶん。
但し、僕は生粋のモッタイナイお化けなんで。
「物語が雑な所為でハイレベルのアクションが見過ごされちゃうのはモッタイナイなあ」と思っちゃいました。
まあ、そんなわけで。
アクションのためのアクション映画。
リアリティを感じない部分もありますが、それも気にしたらダメな案件。ひたすらに人智を超えた動きに目を見張るのが正しい楽しみ方だと思います。