あっさりゆで卵

この世界の片隅にのあっさりゆで卵のレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.5
日本映画史に燦然と輝く名作。

戦時中という激動の時代にも、日常が存在していて、飯も食うし、昼は仕事やご近所付き合い、夜は風呂に入って寝る。

教科書からは伝わらない、人の営み。

温もりと、でも確かにある戦争の影。
あたたかなタッチで描かれるからこそ、戦争の残酷さと無常感がより克明に映し出される。

それと、徹底した歴史考証が凄すぎる。
ここに出てくる街並みは全て存在していたものだそうで、そりゃ実存感しかないよな。

片渕監督は、何気ない営みの描写がうまい。

この世界の片隅には、人の数だけ物語があるんだろうな。