ひでG

この世界の片隅にのひでGのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.5
今観てきたばかりで、興奮や感動が収まらないまま、帰りの武蔵野線で書いています。

シネコンって、いつも思うのですが、いろんな映画を見に来ているいろんな客層かロビーにいるので、感動して出てきた時、ちょっと不思議な感じになる。
今日も目を真っ赤にしたオヤジが冬休み映画を見に来た家族や若い人の中を帰っていく。
そんな他の映画を見に来た人にも、映画を普段見に来ない人も、この映画を観てほしい。

私は普段のレビューで、「日本人として・・」なんて書き方はしたことないけど、すずさんと同じ国に、そしてほぼ同時代に生きた人間として、これは観るべきだ!と強く思う。

観る前の文化人を始め評価があまりにも高く、スポットとして流される絵から受ける印象とかなりギャップがあり、観るまでは半信半疑だった。
「この絵で・・」「戦時下の生活か・・」
「今まで観たことあるパターンかな?」て
勝手に決め付けてました。

でも、僕のようにイメージ持っている人もまず観ましょう。

生活の細かいところをきちんと描く、
庶民【市民】の目線で、
よく言われてきたことって、こういうことなんだ〜!

戦時下を生きるって、こういう食事をして、食材はこう集めて、こう料理して、

そうだよなあ、あの敗戦の日だって、人々は食事してたんだよなあ、

生きるって行為を一つずつ丁寧に積み上げていくことで、もう我々は完全にすずさんたちとその時代をよりリアルに感じ、彼女たちと一緒に笑い、泣き、すずさんを大切な人に想うことができたんだど思う。

だから、敗戦の日のすずさんの叫びが、ラストのすずさんたちのある行動が単に美談でなく、本当に心の奥につき刺さったんだ。
生きることをしっかり描いてきたからこそ、感動の美談になるんだ!と思う。

「サウルの息子」や「サラの鍵」など多くの反戦映画とともに、
「戦争は起こしちゃいけんのじゃあ!!」と強く、深く思わせてくれた絶対的な映画でした。

エンドロールのこの映画に賛同して、資金協力をした方々の一人一人のお名前も神々しく見えました。
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