MahoGibel

この世界の片隅にのMahoGibelのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.0
12月下旬に鑑賞、原作漫画を本日読破しました。
どちらも名作だと思いますが、先に映画を観たせいもあるでしょうが、映画版のほうが鋭く強く胸に訴えかけられたように感じました。ほのぼのとシリアスのコントラストをより強く感じたからでしょうか?もしくは肉声の持つ力がかもしれません。

映画が終わる頃にはすずさんというキャラクターがとても愛しく思えました。
自分が去年結婚したせいか、物語をみる視点が変わりました。暖かいシーンも切ないシーンも、これが夫ならば、あの甥っ子ならば、義両親ならば、もしくは老いた自分の親ならば…と思うと生々しく感情を揺さぶられました。
奇しくも、この映画の存在を知ったのが義両親と出掛けた呉の大和ミュージアムだったせいもあるかもしれません。
自分はそういう経緯で早々にこの映画を観ようとぼんやり決めていたので、さまざまな経緯を経てここまで支持されることになったということは最近まで知りませんでした。

個人的には、映画版で足されたのであろう、終戦後にお義母さんがお米を出してくれるシーンの台詞がとても心に残っています。
モノが溢れる現代と比べるのは甘っちょろいと言われるかもしれませんが、生活を愛し日々を送ろうというメンタリティはいまも昔も変わらないなと、そして戦中戦後の暮らしを生き抜き日本を現代まで繋げてくださったすべての方々に心から尊敬と感謝をお送りいたします。
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