ユカートマン

この世界の片隅にのユカートマンのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.5
噂通りとてもよかった。最近ボスニア戦争の映画を見ることが多いけど、クストリッツァの作品を見ていて≪悲劇だけで戦争を語ると同一化しにくい≫ということを学んだので面白かったり幸せを感じるシーンがたくさん挿入されているところがあると余計に泣けることを改めて実感。戦争っていうマッチョなテーマをここまで緩く優しいタッチで表現したのは軍部の物語でもファシズム批判でもなく市井の人々を描いただけだからなのかな。
方言が少し難しかったのは西日本に住んだことがない私の責任として、主人公がやや標準語すぎるように感じたけど広島の人はどう思ってるんだろう。ヒロシマ=広島県全土が焼け野原になっていたと思っていたのでそこは勉強になった。唯一の被爆国に生まれた日本人は他の国の人が描けないこのテーマを描き続ける使命を負ってるし、クリエイターではない私たち観客はこの様な作品を観続けて未来に残さなければならない。授業で観たのに涙が止まらなくて恥ずかしかった。
ユカートマン

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