Yasshu

この世界の片隅にのYasshuのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
5.0
灰ヶ峰の麓の工業学校の教師だった祖父は背後から襲ってきた米戦闘機に驚き、近くの民家に逃げ込んだ。祖母は、米軍を狙った高射砲の破片が落下する恐怖と、大空襲で多くの人が防空壕の中で焼け死んだと語った。そして、あの朝、長ノ木の尾根の東に位置する吾妻町国民学校の校庭にいた母は閃光と大きな雲を見た。戦争が終わり、叔母は長ノ木の尾根を越え、辰川の復員した義理の叔父のもとに嫁いだ。
母と映画をみた。映画の中で、祖父、祖母、叔母が生きていた。白黒のイメージしかなかった昔の呉の街にも、色彩があったことを教えてくれた。
叔母の死から一年たって訪ねた辰川から見た呉の街には大きなビルが建っているが、海と島影はきっと昔と変らぬ風景なのだろう。
Yasshu

Yasshu