近所の映画館で今ごろになって上映していたので観てきました。
戦争を扱ったアニメはいくつかありますが、この作品は一般市民の目線で、ほのぼのした雰囲気の作品でした。途中からエラいことになりますが。
映画が始まって、かなり早い時点で太平洋戦争が始まります。
でも戦況が逼迫するまでは、鈴さんにとって日常が続いていくだけです。
嫁入り先の義理の姉に小言を言われたり、家事をこなしたり、絵を描いたり。
しかし、いつの間にか戦争は生活を脅かし、昨日まで隣にいた人が急にいなくなったり、身近な人が亡くなったりしていきます。
その描かれ方が、「戦争反対」みたいな形骸的で一面的な描かれ方になっていません。
前半で鈴さんたちの生活がしっかりと描かれている上で、徐々に戦争が生活を侵食していく様子は、アタマで考えなくても戦争の恐怖を感じさせるものでした。
日付が画面左上に表示されて、時間は刻々と進んでいくのですが、最後の数ヶ月は「早く8月15日になれ」、「これ以上酷いことになる前に、戦争終われ!」と、念じながら観ていました。
あと、戦中の暮らしの様子が本当に細かく描かれているのも感心しました。 当時の人々が何を食べ、どんな家に住んで、どのように生活していたのか。
リアルな「戦争の頃の空気を感じられるシミュレーター」のような映画でした。
傑作。