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この世界の片隅にのaccoのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.0
すずみたいに、些細なことに喜びを見つけ、工夫し、不安にも襲われながら慎ましやかに生きていた人々がたくさんいたんだろう。

空襲は恐かったろう。先が見えず不安だったろう。夫がしばらく帰ってこないと告げられ、家を支えれるか心細かったろう。身近な人が徐々にいなくなっていくかもしれない悲しみ、いなくなったのにホッとしているゆがんだ自分。戦争でなかったら…‼︎

私が戦時中に生きていたら、もっとヨワヨワだったかもしれない。

ダンナさんも哲も言うように、すずは小さい。でもやわらかい。あたたかい。
そのしなやかさとあたたかさでなんとか戦争をしのげた強さがある。

戦時中の人は、すずと同じように必然的に強さを身につけていったのかもしれない。だって生きないといけない。家族を守らないといけない。

机上で駒を動かす人。その下で戦場で散り行く人々。さらにその下には声を上げずとも、細々と必死に生きようとする人々。

押し付けがましくない、でも心から「ほんっと戦争は嫌だ!!!」って思わせてくれる映画。
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