たりほssk

この世界の片隅にのたりほsskのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
3.3
戦争の悲惨さ恐ろしさを正面から描くというよりは、すずの日常生活を軸に話が展開しているところが良かった。
すずは、辛いことがあっても持ち前の豊かな想像力を働かせ、いろいろな工夫をしてそれを乗り越えていく。無くしたものはいつまでも追わず、その時あるものを生かすという、いわば運命をあるがままに受け入れるような彼女の姿勢がとても印象的だった。(しかし玉音放送を聞いた後のすずの慟哭はややわかりにくかった。)
当時普通に生きる人々が日々暮らす中で戦争についてどう感じ、何を考えていたのか、俯瞰して言えば自分ではどうしようもできない理不尽な状況にどう折り合いをつけ、生きていくモチベーションを維持していくのか、それを知ることはとても意義のあることだと思う。
たりほssk

たりほssk