備忘録さん

ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウンの備忘録さんのレビュー・感想・評価

3.4
ドキュメンタリーとしては、今ひとつだったかなあ。

音楽にフォーカスしてるのか人物にフォーカスしてるのか中途半端で、全体的にストーリーが散漫。

ジェームス・ブラウンは、人の形をしたグルーブといった感じなので、もっとライブが見たかったが、同時代のビートルズのドキュメンタリーと比べて、映像が残ってないし画質も悪くて臨場感が弱い。

映画のだいたいのシーンは、60年代を中心に語られるのだが、公民権運動真っ盛りの時代で、黒人差別が当然な時期なので、白人アーティストと比べて映像がアーカイブとして残りにくかった、なんてこともあるのだろうか。

ポピュラー音楽史的には、ビートルズと同等か、それ以上の影響を後のアーティストに与えているというのに、何だか不遇だなと思った。

劇中、ミック・ジャガーもインタビューに答えていて、若い頃ジェームス・ブラウンに憧れていて、ダンスやパフォーマンスをライブに行って盗んだという話をしている。

その後テレビ番組でジェームス・ブラウンとローリング・ストーンズが同じステージに立つ一連の下りが映し出されるのだが、ミック・ジャガーが明らかにジェームス・ブラウンのダンスのマネをしていて、かつパフォーマーとして2、3段レベルが落ちているのが映像として浮き彫りになる。

もっともっと一般レベルで評価されてもいい気がするが、そもそもファンクがそこまでキャッチーな音楽じゃないからか、ジェームス・ブラウンが大阪のおばちゃんみたいな髪型をしてるからか、なんでだろうかねえ。