41歳の春

湯を沸かすほどの熱い愛の41歳の春のレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
3.0
絶賛する人とアンチとでくっきり分かれる本作。どんなもんなんだろうと見てみた。
結果自分はアンチ派に近いかもしれない。
何コレ珍百景的な作品だったかもしれぬ。

ここでのレビューに見られるような絶賛派とアンチ派にくっきり分かれるように、なんつーかエモいパートと脱力パートがモザイク状に散りばめられている印象。涙腺震えるシーンと何コレ珍百景的なシーンが混在して一体どういう作品?と思ったり。

宮沢りえのお芝居は十分エモーショナルなものだったことは間違いなく、本作で多数の主演女優賞をゲットしてるのはマー分かるんだけど、ただ全体の筋書きが目茶苦茶で、一般ピーポー目線からすれば理解不能マジ卍的な描写がそこかしこに見られ、宮沢りえは本当にこの世界線を生きてるなら狂人じゃねぇのかと思わされるシーンが数多見られ、徹底的なアンチが存在するのは分かる。

ただ、強烈なアンチが存在する作品に往々にして見られるようにグッと来るシーンも多数あり、マー心理学上で言われるようにラヴとヘイトは紙一重というか本作ももう少し脚本詰めてりゃドライブマイカー的なケッサクになる可能性は高かった様に思われ、本当に制作陣に言いたいのはもう少しホン詰めりゃ邦画の大傑作になったのに勿体ないねホントとマジ言いたい。

本作で傑出してるのは先行レビューでも散見されるように子役使いの秀逸さであり、特に伊東蒼氏のお芝居のマジ卍さ加減であり、彼女氏は近年の邦画界における最重要女優になりつつあるらしい現状をみると本作のキャスティングは秀逸だったとコレだけで言えるんだろうとは思う。

本作における数多のナニコレ珍百景で群を抜いてイミフ案件なのはいわゆる関根麻里が絡むシーン全てと言え、一体全体アイツが絡むシーンはどういう事になってるんだという事に集約されるハズである。
本当に意味がわからない。
宮沢りえ氏は過去に旦那のオダギリジョー氏と因縁がある関根麻里氏を初っ端の平手打ちだけで棚に上げ、後は娘の杉咲花氏のために一切合切ソノ辺の因縁をノーサイドに処するという、正に見上げたド根性のオンナを演じており、コレ現世で同じ様な因果に置かれている婦女子の面々には一体どう映るの?の問いたい。

まるでアンジャッシュ渡部氏のオイタにも関わらず離婚せず、更にその後第二子懐妊を発表した佐々木希氏のような、まるで男のオイタのなにもかもを許容して尚且つそのオトコの全てを受け入れ続ける聖母マリアのような女性を前提としており、そんなもん現世の修羅を生きているオンナとしては絶対受け入れられねぇファックユー案件である事はフェミニズム勃興しつつある現代ジャパンにおいては当然だろうと思うしマジ上野千鶴子は本作みてどの様なジャッジ下すのか見てみてぇ。多分罵詈雑言言うでしょうね。立憲民主の塩村あやかとかその他の人材も枚挙にいとまねぇし。

そして結局宮沢りえ氏は旦那や子供とされてる子その他諸々みんないい人という前提で死んでいくし。現実世界もその様に皆いい人であれば皆万々歳で死ねるでしょうね。
ただ万国がその様な世界線ではないことはウクライナ紛争とかアラブの春とかガザ紛争とかで明らかな訳で、マー本作はファンタジーと言いたいがただ男はつらいよシリーズも概要言えばファンタジーと言えるので、この辺がある種の邦画の限界なのかもしれぬな。ココでも散見される様に絶賛系の人々もいるし。
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