ムリッコ

湯を沸かすほどの熱い愛のムリッコのネタバレレビュー・内容・結末

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

母親が最終的に死ぬことになる
とわかっている話で
泣くに決まってるから
どうかな…とちょっと
観るの躊躇していた映画でしたが、
御涙頂戴感は予告からも感じなかったので
観てきた。

…開始5分くらいから
ポロポロ涙がとまらない。
こんな時に限って
目の下にアイラインひいてる。
でも、するすると涙が流れてくるのです。
いじめに遭っている娘が学校に行きたがらない
でも、
それに立ち向かう娘の強さ、
母親もものすごく心配しているけど、
それでも逃げるなって
信じてるから背中を押す
自転車の後ろに乗って
手が重なるところから涙がとまらなかった。

色々事情がある家族だけど
つながってる。
お母さんの愛に包まれて
お母さんのお湯に浸かって
家族が一つになる。


追記
いや、なんか好きな映画って
どうしてこうも後から色々湧き出てくるのだろう
まさにお湯のように溢れてくる
この映画への熱い愛!

でも、よかったところではなくて、、
一点だけどうしてもどうしても
気になった箇所があった。

そんなん映画なんだから見過ごせやって感じなんだけど、あんないきなり倒れてしまうようなお母ちゃんが子供たちを乗せて、長距離の車移動をするということにどうしてもひっかかった。
最近も高齢者のドライバーが
子供を轢いてしまったニュースもあったから余計に…
でも、、、なんか、、、
双葉って人間は
周りの人たちに愛されているんだけど
決していつも正しいわけじゃないし
不器用なんだってことの要素の一つでもあるんじゃないかと思い直してみた。
双葉の本当のお母さんが見つかったけど、そんな娘いないなんて酷いこと言われた直後、遠くからでいいから顔が見たいと健気なことを言うんですけど、

窓ガラス割るんよなー。

ただいい人な訳でも
誰から見てもいい母親な訳でもないし、
聖人君子でもない、
人間味のある愛情深い、そしてかっこいいお母ちゃんが監督は描きたかったんじゃないかと思う。
わたしの母親も同じ状況になったら
自分の体を過信して、
大丈夫だと自分に言い聞かせて無茶しそうな気がする。

こんなモラル的にはわりかし賛否両論の可能性も秘めているお母ちゃんを生み出した監督はすごいし、完璧なマリア様みたいな母親じゃない、
弱いところもたくさんあるお母ちゃんがリアルで、彼女の熱くてロックな愛にやっぱりやられちゃうんだと思う。
あーもう一回観たい
ムリッコ

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