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湯を沸かすほどの熱い愛の346のレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
2.1
いや、ごめんなさい。
この映画はひどいと思います。

ちょっと感性がずれてるというか、この監督の作品を初めてみましたけど、もう二度と観ないと思います。

最後のオチから思いついた作品なのは観れば分かるかと思いますが、そこに辿り着くために作り上げた物語がことごとく浅い。というより、詰め込みすぎて結果浅くなってる。泣かせようとするシーンがあまりにも多いので、なにか連続ドラマの総集編を観てる感がありました。

問題を解決→次はこの問題を解決→そして今度はこの問題を解決!みたいに、展開していくのですが、いい映画っていうのは、ひとつひとつのそういう物語が、作用しあって深みを与えるものなのですが、この映画にはそれはないです。全部バラバラな気がします。

そして、この監督は今まで何不自由なく生きてきたんじゃないだろうかという疑問すら湧きます。いじめられたことも、家族の不和も、身近な人の病死も、そこに真剣に向き合おうという誠意が感じられません。感動させるためだけにこしらえた物語のような気がしてなりません。この感情はもう怒りです。それこそ湯を沸かすほどの…、ウソです。それは言い過ぎました。そんなに怒ってもないけど、どうしても湯を沸かすほどの熱い怒りが、と言いたかったので、ちょっと文章に熱が入っただけです。

とりあえず、あれでイジメは解決しません。ドアノブのパンツはそんなにカッコよくありません。小さな子供もいる家族に、いきなり猥談を話すようなヒッチハイカーを車に乗せません。いきなりピラミッドさせられる探偵はいません。そして、そいつがテーマ的な物を語ってはいけません。これがコメディとしてなら、逆に優秀です。

でも!役者は頑張ったと思います。
本当に。役者は頑張った。だから、最後はその熱量にじーんとはしました。
手話に気づくくだりは、すごくよかった。

うん。ごめんなさい。感じ方は人それぞれだということで、許してください。
あと、アンダーカレントという昔読んだ漫画に似てて、それを監督は意識したのか分からないけど、そこがずっと頭の中でチラチラしてしまったのがだめだったのかも。

ほんと、こんな偏屈なオトコでごめんなさい。
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