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顔のないヒトラーたちのspicaのレビュー・感想・評価

顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)
4.0
1958年のドイツではアウシュビッツに関してほとんど知られてなかったというのは驚きだった。知らなかった。
主人公の検事が正義感で突き進むだけでなく、葛藤も描かれていたりして良かった。でも彼は周りから反対されても突き進む勇気があって、それを支える上司がいて。そうでないと闇はなかなか暴かれないということなのだろう。
ある状況に置かれたら、普通の人なのにものすごく残酷なことができ、裁判でも自責の念がないということに人間の弱さ、悲しさを感じる。みんなで殺せば、みんなで差別、虐待すれば怖くない。集団になるとスイッチが壊れ、人間性を失ってしまうということが恐ろしい。多分私もその一員なのだと思うとゾッとする。だからこそ、そんな恐ろしいことになる手前でストップさせなければならない。
空気に流されず、孤立を恐れず、自分で考えて行動できる自分でいたいものだ。
自国の負の部分を認めるということに対しては大丈夫だと思っている。そこができない人が今の日本にも多くいるようなのだがなぜなのか。「自分=日本」なのか。「自分=戦前の日本」なのか。違うだろう。
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