最初はどんなストーリーか想像がつかず、ヨハンのまじめさにちょっとへき易したりしていたのですが…。
中盤で取り扱う事件の重さに気づいてからは目が離せなくなりました。正義だけではなりたたない人間だからこそ、登場人物の言葉や行動が真に迫り胸に響きました。
正義のためにと動いていたヨハンが大義を見失い、また戻ってくるところは人間の弱さのうえでの信念を感じる展開でした。
ナチスドイツのユダヤ人迫害は、なぜそんなことができたのかと、ずっと心に刺さったままのトゲで、それはなにを知っても変わらないのだけれど、そのトゲこそがこれからの未来を守ってくれると思える一作でした。