新しき民の六四二のレビュー・感想・評価

岡山で起きた「山中一揆」を題材にした白黒作品。
多くの人間が易々と死線を飛び越える。人命がまだ軽い時代に生きる意味を問う者などいない。
武士階級の非情な税収奪を謗るわけでも、革命を起こすわけでもなく、生きるに窮して動いたのだと映画は言っているようだ。
強いメッセージの主張でなく、ひどい目を見ようとモノを作って暮らし続けていく人の諦観が感じられて好感が持てた。