シネマスナイパーF

シャザム!のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

シャザム!(2019年製作の映画)
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ジャスティスリーグにジャスウィドンを呼んだことでDCは生まれ変わったのか
明らかにJL以降昇り調子だと思う
現時点でのDCEU最高傑作
映画の面白さではキャプテンマーベルに勝ったキャプテンマーベル


主人公ヒーローとヴィランのパワーのオリジンが共通ってのはよくある話ですが、この設定って物語としてとても都合がいいんですよね
なぜ主人公が勝つのか、に対して明確なロジックが生まれるので

今作はアメリカ映画の大好きな「家族」の物語であり、それがヴィラン側を一元的な悪者にさせていないところが素晴らしくて、彼もやっぱり「負け犬」であり例え微量でも同情の余地がある
負け犬から這い上がるために努力してパワーを手に入れたんですから
ただこのパワーには決定的な弱点がありまして

対するビリーは、持たざる者の状態から「偶然」、いや、「この時点では偶然」力を手に入れる
彼はまだパワーの使い方が定まっていません
そのパワーをどう使っていくのかを描くのが、物語の、映画の醍醐味ですね
そして映画が進むに連れ分かるわけです
なぜサドに対抗するための勇者が彼でなければならなかったのか
ほんと上手いよねアメリカ娯楽映画の脚本って


コテコテなヒーローストーリーですが、ビリーの相棒フレディがヒーローオタク(しかもその世界にはヒーローが実在している)ということがさらに拍車をかけている
スーパーパワーを持ったヒーローってやっぱすげえし、憧れるんですよね
その憧れを隠すことなく喜びいっぱいに試す、見てて楽しくないわけがないし、そのシーンのBGMはフレディ繋がりなのかクイーンでさ〜エクスタシィだよ
自分で自分の尻拭いをしただけだけど一応ヒーローらしいことした直後にあの口論、からの満を持してヴィランとご対面の流れは完璧で、スーパーヒーローが空を飛ぶことに対するカタルシスがイマイチ薄かったマンオブスティールを間違いなく反省している

フィラデルフィアが舞台なので、当然ロッキーを思い起こすわけですが
ロッキー3の主題歌で見世物を演るシーンは、自分をスターダムに押し上げたフレディをはじめとする家族のために奮起するビリーというロッキー的な熱さ、そして彼が拘る虎のモチーフを連想させるニクい場面だ!
元祖劇場版スーパーマンの監督リチャードドナーのグーニーズを連想させるなど、目配せもいいね

コメディとしての面白さは言うまでもなく、クライマックスの対峙シーンでのアレは劇場中大爆笑
序盤の会議室のシーンのホラー演出はファミリー映画としては結構怖めじゃないか?腐るほど見た演出ではあるけども


最早アナベルとクロスオーバーさせる気満々なんじゃないかとか、何故か製作総指揮で参加しているドウェインジョンソン主演でかつて世界を滅ぼした勇者の映画の企画が進んでいるだとか、なんだかワクワクしますが
ユニバースとしての完成度は、どの作品のどの次元の敵が向かうべき場所なのか、どの作品のどの要素がキーとなっていくのかを細かく決めていかないと保証されないものなので、頑張ってほしい
今後のDCEUに期待のできる、小気味よい快作!