あなぐらむ

花都大戦(はなのみやこたいせん) ツインズ・エフェクトIIのあなぐらむのレビュー・感想・評価

3.7
前作「ツインズエフェクト」はヴァンパイア・ハンターを素材とした現代ものアクションで、「ブレイド」みたいなノリだったが今回は古装片。内容は全然別物で、ツインズが出てるって事だけでこのタイトル(原題は千機変)が継承された模様。

美しい女帝が支配する「女人国」。そこでは男性は奴隷として扱われ売買されていた。しかし男性の復権を求める部族の間では「皇帝星」と呼ばれる皇帝の後継ぎが聖剣を手にした時革命が起こり、現政権は転覆されると言われてきた。聖剣のありかを示す石版を芸人一座の青年が盗み出した事から女帝の密使ブルー(ジリアン・チョン)はその行方を追うが、奴隷商人の女スプリング(シャーリーン・チョイ)とひょんな事から闘う羽目になり・・・というのが導入部。以下、石版の地図をもとに聖剣を求めてブルー、スプリングと芸人一座のダメ青年二人の旅が始まる、というファンタジーものによくある筋立て。

展開としてはかなりグダグダでメリハリとか全然ないんですが、乗っけからジリアンVSシャーリーンの色鮮やかな色彩の戦い模様が描かれ、ただボケーっと映像を見てるだけでも結構楽しい。元々アイドル集合かくし芸大会みたいな映画なので、ストーリーがどうのテーマがどうのというのは意味なし。彼女達が画面狭しと駆け回るのを目を細めて見ていればよろし。毎度おなじみでシャーリーンがコメディ担当、ジリアンはシリアス担当という事で安心して見られる。
アイドル二人の恋の鞘当ての相手はジェイシー・チェンとチェン・ポーリン(フロム台湾)。
ぬぼーっとして人のよさげなジェイシー、ちょっと腹にイチモツありそなワルガキ風のポーリンとキャラもそれぞれ立ってて適材適所。その他女帝の副官で本作で一番難しい役柄に仕事しすぎなダニエル・ウー、革命軍を指揮する戦士ジェネラル・ローンにドニー・イェン(!)、芸人一座の座長に今回も女装を楽しむレオン・カーフェイなどなど。
石版を盗むのは前作にも出演のエディソン・チャン(今回はゲスト扱い)。キレイドコロとしては女帝役にチュー・イン、ブルーの相方の密使「レッド」にファン・ビンビン。これら絢爛なキャストが入り乱れるってだけでも電影迷はそれなりに楽しめるわけで。

アクション映画としての見所は御大ジャッキー・チェンとドニー・イェンの格闘王ガチンコ対決! 武器有りの戦いだし、ワイヤーワーク有りなんでちょっと残念ではありますが、流麗な映像の中で繰り出される両者のアクションはそれだけでも結構お腹いっぱいです。ジャッキーがいつ出てくるかは見てのお楽しみ。

今回はパトリック・レオンとコリー・ユン(アクション監督)の共同監督。前作のように脇を支える大人キャスト(イーキン・チェンやアンソニー・ウォン)がいない分、締まりのない映画ではある。レオン・カーフェイだけでは荷が重過ぎるよね。笑わせてくれたけど。