桃子

野獣暁に死すの桃子のレビュー・感想・評価

野獣暁に死す(1968年製作の映画)
4.5
「大好物ゲテモノウェスタン」

仲代達也が悪役を演じるマカロニ・ウェスタン、と聞いたらもう見るしかないでしょ~~~~!!! こういうマニアックな西部劇は大好物中の大好物である。少々色が変でも、げろ甘でも、少々形がくずれていても、お菓子はお菓子。甘いものに目がない甘党が大好物のスイーツを食べている時みたいなテンションである。もっともこの映画は見てくれも中身もしっかりしていて立派なものだった。
仲代達也はイタリア語をしゃべっているが、これはもちろん他の人のアフレコである。本人は当然、台詞は日本語だった。他にアメリカ人の俳優さんが出ているが、彼は当然英語でしゃべり、イタリア人俳優はイタリア語を話す。撮影現場を想像すると非常に興味深い(笑)昔のイタリア映画って凄いなあ… 撮影裏話がけっこういろいろとあるのだけれど、ここで書くのは大変なので、興味のある人はネットで是非検索してください(^^)
見始めてしばらくしてすぐ連想したのは「荒野の7人」だった。復讐のためなのだけれど、ひとりではできないので仲間を雇うのである。「荒野の…」と違う点は全員が生き残ることだった。これは素晴らしい!ポイントが一気に上がったことは言うまでもない。
最終決戦の場所は、西部劇にありがちな荒野とか砂漠ではなく、なんと森の中(^_^;) これは撮影現場の都合によるものだったらしいが、なかなか変化球が効いていて結果オーライだと思う。マカロニウェスタンの多様性となんでもあり加減を実感できる。
とにかく、仲代達也の悪役ぶりが堪能できる希少価値のある映画である。変わった西部劇を見たいと思っている方に超おすすめ!!
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