I

ミニー・ゲッツの秘密のIのレビュー・感想・評価

ミニー・ゲッツの秘密(2015年製作の映画)
3.8
ずっとイラストバージョンのポスターが素敵で気になっていた作品。

山崎まどかさんが、『17歳の肖像』と同じ題材だが、よりリアルで厳しいというようなことを言っておられたのでそのつもりで観た。また、日本で、もしこの作品を制作したら、二階堂ふみ様あたりかしら、でも本人が望まずとも男性が喜ぶキャラクターになってしまうだろう的なことを言っておられた。
実際に、どちらも正にそうだなあという感じで流石だと思った。

ミニーは15歳で、自分に自身がなく、性にも関心が強い女の子。
そんな自分はきっと変わり者で、孤独だと感じている。
ほんとうはそんなことはないし、寂しさを友達や家族に正直に話せば楽になれるだろう。ただ、わかってもらえるはずがないと思ってしまう気持ちはわかるし、ミニーの場合はそこに母親の彼氏との性関係という問題がくっついてしまっていてやっかいだ。

自分が当事者だった頃はわからなかったが、大人になって、少女と年上の男性との恋愛は危険であるし、わたしたち大人が少女を守る義務があると思う。
なぜなら、少女はまだ正しい判断が出来ないが、大人の方といえば、それを理解せずに大人扱いしてしまう場合が少なくない。

ミニーはあることがきっかけで母親の彼氏への熱がさめるが、そういえば、『ゴーストワールド』にもそういう描写があった。
ゴーストワールドの主人公も絵を描いていたし、そういえばゴーストワールドも同じようなテーマだった。

失敗することで成長することは間違いないけど、大人が間違った方向へ導いてしまうのは違うよなあ。
大人だって人間だから間違いはあるけど、少女の孤独や無力さを、敢えて理解しようとせずに利用するのは卑怯だし自分勝手。
それでいて、捨てられたら毒女だの、小悪魔とか言い出す。なんて情けない、救いようがない、、

日本にはこういう映画ないよなあ。あるのかな??
むしろ助長させるというか奨励してしまっているコンテンツが多すぎて。
もちろん、そういうものが全てなくなれば解決、撲滅しなければというのも違うけど、悪びれてる様子ないというか、悪いと思ってないというか。利用しまくって儲けまくってやめられません、やめる気ありませんって感じ。

一人でもこういうことで傷つく女の子が減ると良いな、というか、そうでなければならない。
I

I