柳之貓

残穢 住んではいけない部屋の柳之貓のレビュー・感想・評価

3.7
観た人はお憑かれさまでした。
映画というより、郷土誌を紐解いている再現ドラマを見ているようようだった。

ジェームズ・ワンの『死霊の館』でもそうだったが、不可解現象の原因究明をするというのは、怖さの意味不明さや理不尽さとは真っ向から反する方向性なので、この作品では怖さというより謎解きミステリーのような面白さのほうがあった。

ただ残念なことに、プロットが強固な一本筋の通ったものじゃないので最終的には拍子抜け感がある。
タイトルの概念のままだと言えばそうなのだが、多くの時間を費やして描いているものがそれじゃないので、印象がブレてしまう。霊障も炭鉱夫、赤ん坊、着物の帯と変化していって一貫性が無い。
積み重なってアップグレードしてるのだと言えばそうなんだろうけど、ちょっとしっくりこない。

基本的にホラー要素がマイルドだったから、最後の編集部やマンションのシーンはあんな直接的にするべきでなかったな。後日談のカメラのフラッシュや、主婦の子どもたちみたいな、後味で残るものがあった方が良かった。

結局、設計事務所に勤めだした彼女は問題なくなったのかな?ちょっと全体的に中途半端だった。
柳之貓

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