はじめ

残穢 住んではいけない部屋のはじめのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

怪異の謎を解明するという地点からのスタートで、ミステリー映画を観るような感覚を抱いて観ていると段々と足場が崩れていく。
決定的な幽霊が出てきたりはしないのだが、過去に起こった悲惨な事件のシーンで想像したくない場面(炭坑での火事で人が焼死するなど)がしっかりと描かれてしまうのが一番怖い。
家をゴミで埋め尽くした老人、軒下の猫に餌をやっていた老婆、一家無理心中を起こした男、赤ん坊を殺した女、首を吊った女……等々。
脳内で像がむすばれ、離れなくなるとそのものが現実にいるかのような錯覚に陥る。
とてもおもしろかった。

最後に調査していた人間たちにも穢れの波が襲う場面で、それまで日常の影に潜んでいたモノたちがはっきり出てきてしまったのがすこし残念なように思う。
はじめ

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