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残穢 住んではいけない部屋のdeenityのレビュー・感想・評価

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ホラー映画も久しぶりだ。橋本愛が出てるから気になってただけなんだけど、ホラーは好きだし安く借りれたから鑑賞した。

投稿者からのハガキを元に心霊体験を雑誌に載せていく竹内結子とハガキを差出人の橋本愛。だから作品全体が竹内結子のナレーションベースで淡々と解説されていくのはわかりやすい。
さらに本作の良い所は何でもないかのように感じさせて実は繋がってました、という伏線を上手い具合に張り巡らせていた点。ホラーの楽しみ所としては過去や歴史を遡っていって霊の根源を捜し求める、という展開も重要だと感じるのでその辺りが本作は期待の膨らませ方が上手かった。
その上、本作は結構根深く根源を掘っていき、ヤバい匂いを漂わせる。土地柄、精神異常患者、私宅監置等、完全に触れてはいけない世界に足を踏み入れてしまった、って感じがして、ネットなどで読むことができる『リゾートバイト』とか『リアル』とか、あの手の訳のわからない恐怖感というか胸騒ぎみたいなものを感じてドキドキさせます。


*ここからはネタバレ&酷評です。





























いや、ちょっと待て!こんだけ期待させてそのオチはないだろうよ!散々過去遡って本作の事件のヤバさに触れといて、「これ以上関わらない方がいい」とかありえないでしょ。ホラーなら関わっちゃダメとわかりながら追求していけよ!
正直期待のさせ方は上手かったよ。俺の好きな未知のヤバさみたいなものがあって、ワクワクしてたよ。精神異常?私宅監置って何だ?めちゃめちゃ期待してたのに。こんな裏切りないでしょ。
正直ストーリーテラーが淡々としてるのはよくありがちな夏の特番みたいな感じで抑揚がないのはわかるけど、作品全体を通して抑揚のあるキャラが一人もおらんわ。佐々木蔵之助くらいだ。あの人の演技にはリアルがあって生の感じがあるけれど、他の人は感情が伝わってこん。ホラーで恐怖感をキャラクター達が感じてるのが伝わらなきゃ何も感じんでしょうが。
そもそもここまで引っ張って何もなしとか。どんだけ説明引っ張ってんの?「起承」くらいで終わったんじゃないかと思うんだが。せめてあんだけ期待させたのなら残りの15分くらいは畳みかけてよ。完全に誰も助かってなかった雰囲気出してたじゃんか。誕生日の子どもの家庭とか、子どもが揃って変なとこ見てるとか、「来た来たー!」って思ったのに。霊とかにリアリティもなくて怖くも何ともないけどさ、それでもいいからそういう姿勢は見せてよ。実は竹内結子の家を建てたとこは繋がりがあって地鎮祭やっても意味がなかった、的なさ。電話もいきなり公衆電話じゃなくて佐々木蔵之助から電話で、その土地との繋がりを教えて「ヤバい!」って感じにした後から公衆電話から電話が来る、とかさ。やり方いろいろあるじゃん。未知の正体がわからない訳のわからない恐怖、ってのは活字だからいいんだよ。想像の余地があるから。でも映像にしてその類の話を扱うなら想像の部分を表現してくれないと。見えてる分想像の恐怖がないんだから、ストレートに恐怖心を掻き立てるような展開にしてくれないと。消化不良もいいところ。

ここまでやってくれたらたぶんホラーながら珍しく☆4くらいの評価してた。CGでも怖さがあるなら☆4.5くらい付けてたかも。それだけよかったのにここまでの酷評になったのは期待を裏切られたからです。
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