海

残穢 住んではいけない部屋の海のレビュー・感想・評価

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では、今宵一通目の恐怖幽便を読んでみよう。うみちゃん君。

ハイ!吾郎さん。…「これは私が以前、住んでいたアパートで実際に体験した出来事です…」

これは私が以前、住んでいたアパートで実際に体験した出来事です。2号線沿いで窓をほとんど開けられないのと、古いアパートだったので多少不自由はありましたが、それ以外は問題なく暮らしていました。当時まだ小学生だった私は、夜8時には消灯し、布団に入るのが約束でした。その日も母に「おやすみ」と告げた後、妹を連れて布団に入り、他愛もない話をしながら、いつの間にか眠りにつきました。夜中、何時頃だったでしょうか。リビングから物音が聞こえなかったので、母がもう起きていないことは分かりました。足元に気配を感じて目を覚ましました。そこには、黒い人影のようなものが立っていました。大きな鍔付きの帽子を被った人影でした。私は何故かそれを男性だと理解していました。その異様な体の大きさと、影にしてははっきりしすぎている暗闇が、何かとてつもない違和感と恐怖感を同時に連れてきて、声を上げようとしたのに喉も体も動きませんでした。ただ目を離すことができず、いつの間にか意識を失っていて、気づけば朝が来ていました。何度か見たような気がしますし、それっきりだったような気もします。母に話したのかどうかさえ覚えていません。今まで何度か、見えないもの、あるいは見てはいけないものの気配を感じたことはありますが、あれほどに恐怖をおぼえる何かには遭遇したことがありません。

これ以外に、心霊ではと言い切れる体験がわたしにはない。わたしは最近物件ホラー小説を嬉々として読みながら、めちゃめちゃ怖がりになってきている自分にも気がついている。夜眠れないほど得体の知れないものが怖かったことって今までなかったのに、最近は割と、夜眠れない。そろそろ、ホラーを摂取する生活にも寿命が来てるのかもしれない、と思いつつも、やめられない。たぶん一度痛い目みないとやめないと思う、わたしみたいな人間は…。本作は、地雷を回避したその先にも地雷しかけてるみたいなトンデモいじわるムービーだった、物件ホラー最きょう(狭・恐・狂・強・凶)説の立証だった。やぁぁ〜怖いよぉ〜…(泣)こういうときはみんな、あのおまじないで弱い心を吹き飛ばそう!

イワコデジマイワコデジマほん怖五字切り!かい!とう!ほー!ぶ!じゃっきたいさん!かーーつ!!
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