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イコライザー2のkuuのレビュー・感想・評価

イコライザー2(2018年製作の映画)
4.1
『イコライザー2』映倫区分PG12。
原題The Equalizer2.
製作年2018年。上映時間121分。

デンゼル・ワシントンが、『トレーニング デイ』のアントワン・フークア監督とタッグを組んだアクションサスペンス『イコライザー』の続編。

元CIAエージェントで、昼間の表の顔とは別に、世の裁けない悪人を19秒で抹殺していく『イコライザー』としての顔を持つ主人公ロバート・マッコールの戦いを描く。 

現在の表の職業として、日中はタクの運ちゃんとして働いているマッコールだった。
しか~し、CIA時代の元上官で親友のスーザンが何者かに殺られてしまう。
独自に捜査を開始したマッコールは、スーザンが死の直前まで手がけていた任務の真相に近づいていくが、やがてマッコール自身にも危険が迫る。
(タクシーの中のアクションが意外にもハっラハラしたっす。)
そして、その手口から相手はマッコールと同じ特殊訓練を受けていることが判明。
同時に身内であるはずのCIAの関与も明らかになっていく。。。

前作『イコライザー』が復讐劇の中で特別な存在やったんは、デンゼル・ワシントン演じるロバート・マッコールの穏やかな中に凛とした禅の姿勢が見えるからちゃうかな。
彼は、社会の片隅で質素に暮らし、価値ある書物を読み、己じゃどないすることも出来ねぇ人々のために、重大な過ちを正すべき時にだけ行動を起こしよる。
日本の古き善き人情にも似てるかな。
この救世主としての資質と、それに伴うプチ・ユーモアは、続編である本作にも受け継がれてると感じました。
前作でマッコールの大きな魅力で惹かれんたんは、孤高のサムライ然としたとこやったし、これまた今作品もサムライ然はかわりなし。
社会の常識から外れとって、禁欲的なライフスタイルを持ち、困っとる人を助けるためにまっすぐに努力する男って小生が憧れてる漢(オトコ)です。
信仰心は感じないけど、理念信条は揺るぎないものがある。
日本のクソ坊主よりもお坊さんみたいで落ち着きがあり、彼が行動を起こしたときの感動はなんとも云えんトキメキに似たもん感じます。
実際、ワシントンは演技にもストイックさを見せてて、彼が参加した戦闘シーンをできるだけ現実的にしたいと考え、彼らは総合格闘家のタイロン・ウッドリーを連れてきて戦闘シーンを訓練してもらったそうです。

髭ホウボウ生やして民族衣装を身にまとい、タネヒシコーツ(Ta-Nehisi Coates)の『世界と僕のあいだに(Between the World and Me)』を読んでいるマッコールがクラブカーに乗り込み、すぐに3人の不機嫌なチンピラを退治するという場面がある。
この事件は全くの恣意的なモンやけど、マッコールがあらゆる種類の正義の復讐のファンタジーを実現するように設計されてるようで、今でもそれを実現することができるちゅうことを思い出させてくれる。
余談ながら、『世界と僕のあいだに』は、アフリカアメリカンの肉体は自らの所有物ではなく、『国民の自由と平等』を掲げる米国、白人によって築かれた祖国米国の歴史を支えてきた資源にすぎない―。冷徹な現実認識をもって、現代米国社会の矛盾を描き、黒人が生き抜く術を教える、父から息子への長い長い手紙っす。

ホンマ簡素なライフスタイル、明確な優先順位の判断、卓越したスキルを持つマッコールてのは、小生には好意的で親しみやすいキャラであり続けるやろなぁ。
ワシントンは、冷静さ、優雅さ、知性を備えた珍しいアクション俳優やと個人的には思てます。
今作品はワっクワク、ドっキドキできた作品でした。
余談ながらマッコールの最終決戦カリって武術を使ってました、これはフィリピンの武術で、武器を持った敵に対して、2本のスティックやナイフ、素手の技術を駆使して戦う実戦的武術ですよー。
kuu

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