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イコライザー2のHALのレビュー・感想・評価

イコライザー2(2018年製作の映画)
4.7
『イコライザー2』、一作目にめっちゃ若いデヴィッド・ハーバーが出てきて驚いたが、今回はペドロ・パスカルが……フークア監督の俳優選び最高すぎるな?

前作にも増して面白くなっている。アーティスト志望のストリートの若者と壁の落書きを塗り直す話がなんでこんなに面白いのか。僕らは冷静な殺し屋よりも親愛なる隣人マッコールを愛してしまっている。日常を見ているだけで極上のアメリカ小説を読んでいるような悦びがある。タクシーの運転手に転職させたの英断すぎる!

マジでスパイダーマンを思い出したし、今回の日常ドラマの核となるアーティスト志望のストリートの若者との交流はマジでロッキーとアドニスを連想したよ……なんなら伝説のボクサーだった兄貴の話が出てくるからマジでロッキーじゃん……ってなった。あと急に出てくる収容所で離れ離れになった「姉」とその肖像画の話とかもすごい語り口がスマートで落ち着いていてすんなり入ってくるんだよな。

最後の戦いも今度は同じ殺し屋が敵だ!という感じで熱いんだけど、イコライザー名物の戦う直前が最大の見せ場となるやつの最高峰のものだったと思う。すっっっごく自然に妻子を人質にしちゃうマッコールさん怖すぎるよ!!!でもよく考えてみると「ボクサーだった兄を殺されてその姿をサインとして描き続ける弟」というのも生き別れた姉の絵画を失うというのも、「二度失う」というモチーフが繰り返されていたんだなと思う。そして「一度しか殺せないのが残念だ」という台詞に至る。マッコールさんの魅力は戦闘能力や冷酷さよりもこの唯一無二の殺し文句にあるのだとわかった。いい本を読んだなぁ。
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