あでゆ

イコライザー2のあでゆのレビュー・感想・評価

イコライザー2(2018年製作の映画)
3.4
表向きはタクシー運転手として働くマッコールは、CIA時代の上官で親友のスーザンが何者かに殺害されことを知る。独自に捜査を進める彼は、スーザンが死の直前まで手掛けていた任務の真相に近づき危険にさらされる。その手口からCIAの関与が浮かび上がり、敵はマッコールと同じ特殊訓練を受けていることが判明する。

多くの宣伝や評などで、イコライザーは悪を倒し、世の中のバランスを保つ存在としてのマッコールの姿だと語られる。
しかし個人的な解釈としては、イコライザーは悪を倒すヒーローではない。劇中でも言っていたが、彼は周りの人間を守り、恨みを晴らすことにしか基本的に興味がない。

彼は異常なまでの神経質さを持つゆえ、身の回りの誰かが良くない目にあったときに自らの心の平静さ(イコライズ)を保つことを動機として、悪を倒そうとしているのではないだろうか。
だからこそ、ラストで彼は独り自らのかつての家に戻るのも納得がいく。そうして隠居をすることで誰にも心をかき乱されず、迷惑もかけない生き方を選んだのではないかと感じた。
正直タクシードライバーってもう海外では絶滅危惧種なので、そういう意味で淘汰されていく存在としても彼がタクシードライバーをやっていることには意味がある。

映画全体としては、まあ期待値通りの作品。周囲の環境を使ったコンパクトでスマートな殺陣は健在だ。一方で、彼の異常さみたいなものや、それを示す神経質さなどの描写はかき消え、今作から観ると割と普段は普通のおっさんという感じだった。

アクションシーンは前作よりも豊富で、割と堪能できた気がする。前と比較しても結構エグめだし、クレジットカード、車内での戦闘に粉塵爆発と、バリエーションも豊か。
粉塵爆発のくだりで下半身イッちゃってるのはちょっとまじか…、って思ったり。あの車内でカメラがぐるっと廻るところなんかはどうやって撮ったんだろうか。あそこは一番のアガりポイントだった。

あとは全編通してギャグっぽい展開が多かったような。序盤のマッコールの変装で笑ってしまったし、ラストがアホすぎてラスボスのデイブに同情してしまった。保険なのに少年を普通に殺そうとするし、急にドジ踏むし。
『キングスマン』のよくわからない続編でもそうだったけど、ペドロ・パスカルは無能裏切り者感に定評がありますね。
あとクロエの代わりの男の子も可愛げがあってよかった。
あでゆ

あでゆ