柩

氷の花火 山口小夜子の柩のレビュー・感想・評価

氷の花火 山口小夜子(2015年製作の映画)
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彼女がこんなにチャーミングな人だったとは知らなかった。見た目の美しさだけでなく、彼女の内面から溢れ出る魅力にも惹かれた。小夜子さんの様々な活動についても知ることが出来て、特に山海塾、勅使河原三郎、山川冬樹との共作は衝撃だった。また、小夜子さんの「自我を捨てると服が自然にどこかへ連れて行ってくれる」という言葉が印象深かった。鮮烈な個性を持ちながらも、誰よりも服そのものが持つ良さを活かして着こなすことができたのは、小夜子さんが生粋の表現者だったからなのだと思う。元々はぱっちりの丸い目なのに自身の表現力であの眼差しを生み出していたことにもとても驚いた。常に美を探求し実現し続けた、本当に素敵な人だった。小夜子さんが生きていたら、さらにどんなことに挑戦していたのだろうか。
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