しゅん

ハッピーアワーのしゅんのレビュー・感想・評価

ハッピーアワー(2015年製作の映画)
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登場人物全員に自分自身の弱さや愚かさを投影してしまう。ひたすらに生きることの恥ずかしさと向き合うような、そんな恥辱に満ちた幸福な時間を味わった。
カメラの目の前に役者たちが立って観客と直接コミュニケートするように演じる。この演出は誰の脳裏にも残るだろう。観客に向かって彼女たちは己の姿さらけ出す。大勢の目に晒される。その恥ずべき行為の中に、彼女たちの魅力が詰まっている。監督自身が本作の演出論を語った『カメラの前で演じること』、その中に出てくる「恥は人が変わるための本能」という言葉の正しさを、この映画は端的に証明している。

2回目 2022.3.19 ル・シネマ
6年ぶりに観た。月並みな感想だが、ワークショップと朗読パートの重要さを再見とすると実感する。
中盤の純パートが色々と炸裂している。「はじめまして」の切り返しアップ、バスでの会話、フェリーのシーン(ラストカットにもフェリー映ってる)。コロッケ作ってるところなんてすっかり忘れてた。
逆光が多い。あかりがいきりたって歩くところのカメラがなんであんなに凄みあるのか。あと、滝の反復もヤバい。
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