革命機女子中学生

ハッピーアワーの革命機女子中学生のレビュー・感想・評価

ハッピーアワー(2015年製作の映画)
4.0
いまさら見たけど死ぬほど良かった… 『親密さ』の駄目なところを全て克服したかのような出来映え

観客に優しくないのは尺だけで、脚本は大衆向けに感情を台詞に乗せていて好印象。
特に観客が抱く感情を代弁してくれるのが嬉しい。胡散臭いワークショップには苦言を呈すし、不気味な川村りらの旦那は気味悪がられるし、つまらない朗読会はうっすら酷評される。
なによりキャスティングが上手い。兄弟・親子で顔がなんとなく似ているし、主演4人のすっぴん姿も良い

食卓を囲むシーンでは必ず口論になるのだが、唯一の例外は主演4人が冒頭でサンドイッチを食べるシーン。4人が1人でも欠けてはならないという意思を強く感じる。食卓ではないが旅館の麻雀卓のとこも至って平和だった。

登場人物が基本的にうっすら嫌なやつor不気味なのだが、それぞれが本心をCO(時には意思表示のための暴走を)することで観客は同情や愛着を抱く構成にしている。ワークショップでナンパしてきた男が、その直後の打ち上げで壮絶な離婚話をし出して思わず応援してしまったし、川村りらの旦那に関しては1番好きなキャラになってた。映画よりも優れた評論を書いてしまうタイプの人間って感じのキャラでかっこいい…

ショット的にはフェリーに乗る一連がベストだが、『親密さ』・『寝ても覚めても』のような奇跡は起きず… まあ外れなカットはほぼないから見てて飽きないが

濱口竜介が役者として出演しているせいで、監督の分身のような男キャラばかりいるように見えてしまう