ペイン

ハッピーアワーのペインのレビュー・感想・評価

ハッピーアワー(2015年製作の映画)
4.7
ハマリュウ監督最高傑作と言われる所以はたしかによく分かった。いつかまた再鑑賞し、己の中で"育成させたい"ような作品であった。

最初の顔と顔を近づける変なワークショップ辺りまでは、なかなかこの作品のリズムに乗りきれず、"異物感"がずっとあり引っ掛かっていたのだが、だんだんと見進めていくうちに、その異物感を"もっと!もっと!"と欲してしまっている己に気づかされる。

微細な違和感エンターテイメントとでも言うべきか、それで5時間あれよあれよと魅せられてしまうマジック。神戸の町を、まるでジャック・リヴェットが撮るパリの如く日本離れした異空間として映し出し、"女性映画"としても、かつてない程に生々しく各人物の等身大の姿を切り取る。

その表情、心の機微をまるで"省略"という言葉が辞書にないのか!、というくらいに"バカ丁寧"に掬い上げる。とりわけ桜子役の菊池葉月さんには釘付けになってしまった。なんと彼女は最新作『悪は存在しない』にも出るとのことで…ワクワクo(^o^)o
ペイン

ペイン