ここ数年の邦画で一番好き。
観終わって最初に思ったのは、あ~終わってしまった、、もっと観ていたい。
スクリーンの向こう側とこちら側で何が違うんだろう?映画を観たというより、彼女らと一緒に、話し飲み旅行し喧嘩し笑い泣いたとしか思えない。
どこにでもある話を、どこにもない方法で描いている。リアルな映画はたくさん観てきた。ドキュメンタリーなどはまさにそうなのだろう。でも今まで観てきたものとは、何かが確実に違う。
映画の中で演じる人々と、それを観ている観客の間の、薄いけど確実に存在するスクリーンを、全く意識させないのだ。
この映画の主役はもちろん4人の女性だけど、彼女らを取り囲む男達も、決して添え物でなく、きっちり描かれていることで、リアル感がより深まっている。
一番気になったのは、柴田修兵さん演じる男。この得体の知れない男は、彼女達に影響を与えるのだが、それが悪魔なのか天使なのか分からない。こういうキャラクターは珍しく、柴田修兵さんの小顔で爬虫類のような(失礼!)見た目がとても印象に残る。
離婚裁判中の、どうみても一緒にいると疲れる嫌なタイプの男も、朗読会とその後の打ち上げで違う面を見せる。
その他の男達も含め、彼らがいることで、彼女達の惑いや揺らぎが、よりリアルに伝わってくる。
語り尽くせない傑作。