すがり

悪のクロニクルのすがりのレビュー・感想・評価

悪のクロニクル(2015年製作の映画)
3.5
面白い。
面白いとしか言いようがないんじゃないか。
発端から想像させてくる事件の筋道。
それはつまり映画の筋道のはずだったのに。

こういう物語構成、複雑ってわけでもない。
それでも事の変遷、物語の進展、事実の解明についてはやはり気持ちが良い。

サスペンスだぞって思って見始めるから、自身が想像しているってことも含めて最初は映画を俯瞰気味。
それが段々と、気づくと、気づかないままでも良い。
感情がすっかり、映画の中で地面に立ってる。
これはね、韓国映画的。
いやもちろん、邦画でもそうなるんだけど。

こういう気持ちはいわゆるハリウッド的な映画ではなかなか味わえない。
そういう映画は「ここっ!」っていうポイントがあって、そのポイントやそこでの登場人物の機微自体に対して自分の感情が起こってる。
それが多い。
だから、俯瞰から始まって、その位置から全くのシームレスに地面まで動くことはあんまり無い。

日本の映画、韓国の映画、良いやつってのはしっかりシームレス。バリアフリー。段差がない。
どれだけ技術参考が向こうにあっても、なんだかんだ言って結局、同じ国、近い国の人たちが作ったものは、共感しやすいらしい。

この映画は、そんな感情のスロープ用意されてて、余韻が続くような雰囲気を出しながら、それでもやっぱりサスペンス。
白黒つけなきゃいけないこともある。


あとね、マ・ドンソク。
この時点でもう完全にマブリー。
なんだろうね、どこに感じてるのか分からないけど愛嬌で溢れかえってる。
パク・ソジュンもなんか元々こんな表情してそうな顔つきだけど(失礼ながら)、映画的に良い雰囲気出しまくってて好き。
ちょっとだけクリーピーに出てた東出昌大思い出したね。
すがり

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