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悪のクロニクルのkojikojiのレビュー・感想・評価

悪のクロニクル(2015年製作の映画)
3.8
No.1630
2015年 韓国映画 監督:ペク・ウナク

 悪のクロニクルとは「悪の年代記」と言う意味。
 韓国クライムサスペンスは、味が濃い。
時に無性に観たくなるが、一度観たら、しばらくは食症気味になるぐらいだ。
この作品もその一つ。味付けが濃い。

 大統領賞を受賞し、昇進を目前にした敏腕刑事チェ課長(ソン・ヒョンジュ)は、同僚たちとの祝賀会の後、帰宅途中のタクシーの運転手にナイフで襲われる。乱闘の末に運転手を殺してしまったチェは昇進への影響を恐れ、証拠を隠滅してその場を後にする。
ところが、翌朝、チェが殺した運転手の死体が、警察署の目の前にある工事現場のクレーンに吊るされた状態で発見される。

 何故、チェ課長は襲われたのか、誰が死体をクレーンに吊るしたのか。オープニングをしっかりと観ていると、何となく大筋のストーリーは読めそうだが、この時点では、何故チェ課長は自首しなかったのか、そればかり考えてしまう。自首していればこんなに苦しまずに済んだのに。その隠蔽がまた新しい犯罪を犯してしまわないか、それが心配になる。
そして案の定なのだ。

 この途中の思考が、全然違う展開をしていくからこのドラマは面白い。
ラストは「えーっ😱」ときっと言うだろう。さすが韓国サスペンスと感心する。とにかく味が濃い。

 このソン・ヒョンジュと言う役者はどこか不安な役をさせると実に上手い。と思ったが何の作品だったか覚えてはいない。

「梨泰院クラス」(2000年ドラマ)で大ブレイクしたパク・ソジュンは、この映画の時期からヒットを連発していて、登り調子。この映画もその一役を買ったのではないだろうか。彼の作品の中でも特に印象に残る作品だ。
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