Taisuky

うちにどうして来たののTaisukyのレビュー・感想・評価

うちにどうして来たの(2009年製作の映画)
4.5
シネマート2023韓流映画祭「なんでウチに来たの?」のタイトルで鑑賞。「トンマッコルへようこそ」のカン・ヘジョンが「オールドボーイ」でデビュー後5年、キャリアピークの作品。そして、この映画公開後に結婚、翌年出産と、芸能界からしばらくいなくなります。そういった意味でも観ておくべき映画。本当に上映してくれたシネマートに感謝です。
映画としてはカン・ヘジョンとパク・ヒスンの二人芝居の様なお話。ちょっと頭のおかしい女性が突然部屋にやってきて自殺願望の男性と奇妙な共同生活を始める。とても不思議な脚本で、結構読み解くのが難しい作品でもありました。
観てる間に考えていたのが、韓国語のミッチン(미친)という表現。日本語では「狂った」「おかしな」「イカれた」とか色々訳されますが、ちょっと日本語にない概念なんですよね。そして、まさに主人公スガンがミッチン・ヨジャ(イカれた女)なんですよ。でも、観ていて、狂気(ミッチン)と正気の間に何があるのかな?と考えさせられる展開となって行きます。本当に面白い脚本ですね、これに似た物語ってちょっと思いつきません。
主人公スガンのイカれた純愛も、自殺願望のアジョッシの厭世観も、どちらもがミッチンな感情であるならば、その感情をどう乗り越えたら幸せになれるのでしょうか?そう、映画として感じ取ってもらいたいし、観た人それぞれに感じ入る事が違う、いい映画だと思います。隠れた名作ですね。配信が待たれます。
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