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パッセンジャーのkuuのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
3.9
『パッセンジャー』
原題Passengers.
映倫区分G.
製作年2016年。上映時間116分。
ジェニファー・ローレンス(子供のころあだ名が『ニトロ』らしく、それで思い出すのは昔少年マガジン連載の『カメレオン』のキャラのひとり頻繁に厄介事を起こすトラブルメーカーニトロ坂本くんを思い出し、彼女なら美しいし許せるかなっとクスッとわらえた)とクリス・プラットが主演を務める。
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』のモルテン・ティルドゥム監督がメガホンをとり、『プロメテウス』のジョン・スパイツが脚本を手がけた
宇宙船内で極限状態に置かれた男女の愛と運命を描いたホンマSF大作でした。
余談ながら、少ない俳優陣の4人のうち3人がマーベル作品に出演してる。クリス・プラットは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でピーター・クイル/スター・ロード役。ジェニファー・ローレンスは、映画『X-MEN-ファースト・クラス』(初代『X-MEN』のキャラを基にした前日譚シリーズ)でレイヴン/ミスティーク役を。
ローレンス・フィッシュバーンは『アントマン&ワスプ』(2018年)でビル・フォスター博士役を演じてた。
このうち2作品は、マーベル・シネマティック・ユニバースの公式パートとして出演。

20XX年(映画製作者によると、これは約500年後のことを想定して作ったそうやけど2XXX年やとイマイチやし年代としては20XX年がしっくりくるなぁ)、乗客5000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が、新たなる居住地を目指して地球を旅立ち、目的地の惑星に到着するまでの120年の間、乗客たちは冬眠装置で眠り続けていた。
しかし、エンジニアのジムと作家のオーロラだけが予定よりも90年近く早く目覚めちゃう。
絶望的で孤独な状況下で生き残る方法を模索するうちに、2人は惹かれ合っていくのだが。。。

20XX年世界は核の炎に包まれた。
海は枯れ、地は裂けあらゆる生命体は絶滅したかに見えた。
だが人類は死滅していなかった!
確か北斗の拳のオープニングは19XX年やったかな実際は。
時はすでに2021年が過ぎさろうとしてるし、この話は最高でも今後77年以内の話になるかぁ、製作者の意図はちゃうけど。

今作品はSFだけに趣向を凝らしてるのではなく、所々粋な計らいをしててとても面白いお話でした。
ジムが目覚めた後、鏡で自分をチェックしているときのBGMでは、ボブ・ディランの『ライク・ア・ローリング・ストーン』がながれる。
大きな石が船のシールドを突き破り、ジムを早々に目覚めさせるダメージを与えた物語に沿ってたり、ジムが初めてバーに入ったときのBGMは、ボビー・ダーリンが歌う『Call Me Irresponsible』(無責任なヤツでかまわない)。
ジムは自分のためにオーロラの冬眠ポッドを開けるという非常に無責任な行動をとり、その秘密をバーテンダーと共有した。
今作品は、個人的にはめちゃくちゃ親しみやすく、しかし複雑で面白い映画でした。
脚本家のジョン・スパイヒツ(2012年の『プロメテウス』や、2016年の『ドクター・ストレンジ』でも同様に深く想像力に富んだ面白い脚本を提供してくれた)は、SFというジャンルを使って、
一部はSFアクションアドベンチャー、一部はロマンス、
一部は道徳劇。。。
ほんで、その全てが夢中になる物語を語ってます。
監督のモーテン・ティルダム(2014年のアカデミー賞作品賞にノミネートされた「イミテーション・ゲーム」の監督でもある)は、この映画をドラマチックでドラスティック、そして、サスペンスフル、加えてスイートでハートブレイクなものにしてたし、素晴らしい映像で目を楽しませてくれました。
今作品は、
『キャスト・アウェイ』、
『タイタニック』、
『グラビティ』、
『めぐり逢えたら』なんかを組み合わせたモンに感じたが、独自のインパクトがあり、未体験の人には伝えにくいし、大きなネタバレに頼らなければ伝えにくいインパクトを持ってます。
細かいプロットに多少悩まされるが、安っぽいひねりや、得体の知れない感情的な瞬間を避け、主人公たちと共に宇宙の旅ができ、クレジットが流れた後もずっと深い考えを抱きました。
素晴らしい脚本家と監督の組み合わせ、素晴らしい景色、そして出演者たちの重なり合い心のこもった作品でした。
また、共感できる演技はとても巧みででした。
頭と心の旅の映画やったかな。
kuu

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