MasaichiYaguchi

ペットのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ペット(2016年製作の映画)
3.6
「ミニオンズ」のユニバーサル・スタジオとイルミネーション・エンターテインメントの最新長編アニメーションは、「ペットは飼い主の留守中にいったい何をしているの?」という素朴な疑問をテーマに、ペットと飼い主との関係を笑い一杯のストーリーで描いていく。
タイトル通り本作では、主人公のテリアのミックス犬であるマックスや毛むくじゃらの大型犬デュークをはじめとして、ポメラニアンのギジェット、ダックスフントのバディとパグのメル、老犬のポップスらの犬たち、デブ猫のクロエ、モルモットのノーマン、タカのタイベリアス、キュートな見た目とは違って腹黒なウサギのスノーボール、その他、インコ、ブタ、カメ、ワニ、ヘビの爬虫類等、人間がペットとして飼っている様々な動物が個性豊かなキャラクターとして登場し、飼い主の留守中にしている彼らの“お楽しみ”がユーモアたっぷりに繰り広げられる。
ニューヨークを舞台に、飼い主の留守中に起こした彼らの大騒動が賑やかに展開するのだが、そこから浮かび上がるのはペットたちの“居場所”。
主人公のマックスは飼い主のケイティと仲睦まじく暮らしていたのだが、そこへ大型犬デュークが加わったことで、ペットとしての“居場所”の主導権争いが勃発してしまう。
この争いはやがて、飼い主に捨てられ、自分の“居場所”を失って人間に反感を持つゴロツキペット集団を巻き込んでの大騒動になっていく。
ペットは人にとって癒しの存在であり、場合によっては家族同然の存在。
ところが、世の中の流行として安易にペットを飼った人が、その世話の大変さに辟易して簡単に捨ててしまうことが社会問題になっている。
飼い主は、癒しの存在であったり、家族の一員であるペットにより良い“居場所”を与えているのかをこの作品は問い掛けている様な気がする。