アー君

Dressing UPのアー君のレビュー・感想・評価

Dressing UP(2012年製作の映画)
3.0
思春期の不安定な女子を描いた作品であり、神戸連続児童殺傷事件をモティーフにしているらしいが、事件当時の監督は年代的に小学生高学年か中1ぐらいかと思うが、少年のような心理状態や母と娘の葛藤を映画で投影できたのかといえば微妙ではあった。(2004年に報道された小6女児の殺害事件なら理解はできるが)

あの事件を当時の報道や裁判所の判例だけで鵜呑みしているわけではないが、彼(元少年A)は自閉が原因による加虐性から性的満足が得られる境界例だが、この少女の場合は妄想的な統合失調症の範疇にあたるのではないかと思う。

鑑賞後の評価として前述のような指摘と演出方法には粗いところがあったが、ストーリーテリングは素晴らしく60分ぐらいでありながらも密度の濃さはこの映画にあった。また1カットで登場したブリーフ隊を伏線にする事で、現実と夢想の違いを映像で見せるシーンは見事であった。

タイトルは英国バンドTHE CUREの曲名らしいが、余談になるがこのバンドは学生の時に聴いてて虚しくなるのでCDは集めていたが、このアルバムだけは持っていなかった。
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