esew

スパイダーマン:ホームカミングのesewのレビュー・感想・評価

2.5
2020.7/1

小気味よいけど、ただそれだけ。でもエンタメってそんぐらいでいいのかも。ポップコーン食べながらさ。

でもとにかく取ってつけた配慮ばかりが目立つのにはちょっとうんざりした。ちょい役のアジア人エキストラの数とか特に。でも今年みたいにBlack lives matterが爆発してない(いや2014年にエリックガーナーが”i can’t breathe”って言ってNYで警官に拘束されて亡くなってるけど今よりは爆発はしなかった)から、黒人の描き方はまだまだステレオタイプ。BLMで2020年現在主張されてることを武器を買おうとした黒人青年が示唆してもいる。ただ家族や親戚を想ってる、けど構造的にまともな生活ができないようになってるから武器買って強盗か何かしようとしてる。乗ってる車のバックガラスが割れてもビニール貼るだけで治せもしない。一方で完全な悪役として出てる黒人ヒールもいる。ヒロインのようにお金持ちになった黒人もいる。とにかくポリティカルコレクトネスに一応配慮しておきましたよばっかり。

結局はアイアンマンとスパイダーマンの間で交わされるコテコテの「アメリカ的父親像」が描きたいだけ。そしてヒールのバルチャーもゴリゴリの保守アメリカ人的な「家族」を守りたいだけの父親。家族、家族、家族。どー考えてもアメリカという国も病んでるようにしか見えない。もうマッチョな父親に憧れるだけなのええわー。飽きたし、ダサいわー。音楽もわざわざ80年大的なファンタジー系スコアに寄せてる(個人的には好きだけど!)し、舞台もNYだし。古いんじゃ。懐古趣味がウザいんじゃ。そしてその懐古趣味を好むターゲット層とそこめがけて全部マーケティングしてく制作サイドがなんか古臭かった。キャプテンアメリカの米軍プロパガンダも劇中随所にずっと流れてて気持ち悪いし。作品を貫く意図がキモ過ぎ。
esew

esew